RPGNに関する疫学調査

RPGNに関する疫学調査

RPGNに関する疫学調査について
急速進行性糸球体腎炎について

「急速進行性糸球体腎炎」は急速に腎臓の働きが失われ、個人差はありますが、しばしば数ヶ月以内に腎不全となり透析療法が必要となることの多い最も重篤な糸球体腎炎であるといわれています。また、しばしば腎臓だけでなく、肺やその他全身臓器にも炎症が及び、肺出血や肺炎など生命に危険を及ぼす障害を併発してくることがいわれています。この病気は、細い血管が鞠状にかたまった腎臓の糸球体といわれる場所の血管壁に炎症が起こることにより発症します。

その結果、尿を産生する元となる腎臓の糸球体に強い炎症がおこり、糸球体そのものが壊れ、機能が無くなり、体に貯まった老廃物や水分の排泄が低下していきます。ただし、この病気は比較的まれな病気であり、この病気により日本全国でわずか年間1,500人前後の方が病院を受診されているにすぎません。従って、国内の各施設単独では十分な症例の調査が進まないため、この病気の予後や治療法に関してのまとまった統計はとりにくい状況があります。

これまでの調査の結果から、急速進行性糸球体腎炎は、国や人種によりその病型の頻度が異なることが分かってきています。さらに、病型によってはこの病気にかかる年代が明らかに異なり、その治療法も各病型により異なります。従って、わが国独自の調査により、本疾患の予後調査を行うことと同時に、わが国独自で最適な治療法を開発していく必要があります。

急速進行性糸球体腎炎について

そこで、この病気の日本全国の実態調査、治療法の調査を行うために、全国の主要腎疾患診療施設において、急速進行性糸球体腎炎の症例調査を行っています。全国から寄せられた調査結果を元に統計解析を行い、この病気にかかりやすい年齢や病型、ならびに治療法と予後との関連を調べます。その結果は治療法のガイドラインとしてまとめ、全国の同じ病気にかかる(かかっている)患者様の治療に役立てていただくための資料となります。

急速進行性糸球体腎炎について

本調査はこれまでに皆様が診療を受けた際のカルテの記録を元に調査が行われます。新たな検査や治療法等を行うものではありません。また、各患者様のイニシャル、生年月日、性別、病院資料番号なども調査されますが、これはあくまでも各患者様の通院、入院経過中の追跡調査のみに使用し、調査が終了した時点で個人の特定につながるデータならびに資料は責任を持ってすべて削除、廃棄します。

全国疫学調査データの(社)日本腎臓学会への移管

これまでに集積しました急速進行性糸球体腎炎調査データはわが国の過去の実態を知る意味でも非常に貴重なデータであり、可能な限り有効に皆様にご利用いただきたく、移管可能なデータについては(社)日本腎臓学会に寄贈する予定です。ただし本データの移管については、調査施設の皆様からご意見をいただき、「疫学研究の倫理指針」に則り、所定の手続きの後、作業に入る予定です。また、移管手続きにご同意をいただけない施設のデータに関しましては、分科会事務局でデータを破棄するようにいたします。移管に際し、登録患者様の個人情報の保護に万全を期すことに変わりないことを付け加えさせていただきます。

今後の調査

全国全例調査に関しては、厚労省進行性腎障害研究班(松尾班)ならびに日本腎臓学会にて実施されております日本腎臓病レジストリー(JKDR/JRBR)を用いた前向き観察研究での調査への移行を予定しています。急速進行性腎炎症候群の前向き観察研究(JRPGN-CS)はすでに症例登録が可能な状況にあります。倫理委員会用の申請用書類ならびにJKDRウェブサイトの登録用書類は日本腎臓学会ホームページ臨床研究腎臓病総合レジストリーへの参加のお願い(http://www.jsn.or.jp/member/registry/registry.php )からダウンロードが可能となっておりますので、JKDR、JRPGN-CSへの各施設の御参加、症例の御登録をいただき、引き続きRPGN全国調査への御協力のほどお願いいたします。その他、稀少疾患であります抗GBM抗体型RPGNに関しては、進行性腎障害疫学研究班の全国疫学一次調査の結果を踏まえた二次調査をこれまでと同様のアンケート形式にて継続する方針としております。

以上のことをご理解いただき、今後ともこの疫学調査にご協力いただきたく、よろしくお願いいたします。

平成21年8月9日
研究代表者 厚生労働省科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業
進行性腎障害に関する調査研究班
急速進行性腎炎分科会
〒305-8575
つくば市天王台1-1-1
筑波大学大学院人間総合科学研究科
臨床医学系腎臓内科
山縣 邦弘

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